メディケアコラム
体脂肪はみんな悪なのか!!? 知りたかった脂肪の働き!
体脂肪というと、だれでも良いイメージは持っていないのではないでしょうか?
ところが、近年の研究により、脂肪組織が「アディポサイトカイン」と呼ばれるからだに大切な働きをする様々な物質を分泌することがわかってきました。
問題は量?
アディポサイトカインは血液中の糖質や脂質、あるいは血圧のコントロールなどに大きな影響を与えます。適度な体脂肪量の人の血中には、「アディポネクチン」という善玉アディポサイトカインが多くあります。しかし、体脂肪のうち、内臓脂肪が過剰に蓄積するとアディポサイトカンの分泌バランスが崩れ、血液中の「アディポネクチン」は減少します。
反対に、悪玉アディポサイトカインが増加すると、糖尿病や、心筋梗塞、脳卒中などの動脈硬化性疾患が起こりやすい状態になることがわかっています。ということは脂肪は多すぎると問題だということになります。では脂肪を増やさないにはどうしたらよいでしょうか?
脂肪には2種類あった!
体脂肪には内臓脂肪と皮下脂肪があります。
皮下脂肪は衝撃吸収材・断熱材としての働きを求められているため、非常用エネルギーとして消費される優先順位が低いのです。
一方内臓脂肪の場合、ホルモン分泌機能の高さもあり血管との連携が良く、脂肪消費の優先順位が高く設定されています。食事を節制し、運動を積極的にすれば皮下脂肪に比べ比較的減らしやすい脂肪といわれています。
しかし、内臓脂肪が必要以上に増えると、アディポネクチンの分泌に異変が起こりやすくなります。その結果、次のようなさまざまな悪影響が出てきます。
●インスリン抵抗性(インスリンの働きがよくない状態)を悪化させる。
⇒血液中の糖質を増やし、血糖値を上昇させる原因となる。
●蓄積された脂肪が分解されて、再び血液中に入りやすくなる。
⇒血液中の中性脂肪やコレステロールを増やす原因となる。
●血圧を維持する物質の機能が低下し、反対に上昇させる物質が分泌される。
⇒血圧の上昇をまねく原因となる。
他にも動脈硬化を促進したり、血栓をつくりやすくするなど、複合的な影響が出ることもわかってきています。
どうやって減らす?内臓脂肪
ずばり和食がベストです。
食事を抜くと、まず脳が危機感をおぼえ、食べるときについたくさん食べたくなります。またからだも危機感をおぼえ、食べたものをできるだけ脂肪として蓄えようとします。その結果、脂肪が蓄積しやすいからだになりますので、食べないダイエットはむしろ有害といえます。
基本ですが、腹八分目・薄味・海藻キノコを組み合わせ、飢餓感を感じずに続けられる事が大切です。
さらに、食事制限だけでダイエットをすると、体重が減ったときに、脂肪だけでなく筋肉量や骨量が低下してしまいます。するとからだを支える力が弱くなり、肩こりや腰痛、膝痛などを起こしやすくなり、更年期以降の女性では骨粗しょう症の危険性も高まります。
またダイエットを中断してリバウンドが起きたとき、今度は筋肉量や骨量は戻らず、脂肪分だけが増えてしまいます。いろいろなダイエットをしてリバウンドをくり返すと、かえって脂肪が増えやすい体質になってしまうのです。ダイエットをするときは、筋肉量や骨量を減らさないように、運動を上手に組み合わせることが大切です。
まとめ
- 内臓脂肪は生活習慣病の元凶となりうる
- 内臓脂肪は皮下脂肪よりも減らしやすい
- 内臓脂肪は適切な食事と運動によって効果的に減らすことができる
大切な役割を持つ脂肪ですが、増えすぎはやはり生活習慣病を招きます。
適切にアディポネクチンを働かすためにも、今日から内臓脂肪を減らす習慣をはじめてみませんか?
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