メディケアコラム

あるがままの心で ~森田療法~

 残暑が厳しく,心もピリピリしてしまうことがあります。それが長引くと,神経症という病気になってしまう恐れがあります。そこで今回は,心療内科や精神科でもお馴染みの「森田療法」についてお話ししましょう。健康なかたでも,テレビや雑誌での健康特集などで耳にしたり,目にしたりすることの多い心理療法のひとつです。

 森田療法とは,国際的にも知られる我が国独自の特殊精神療法であり,森田正馬によって創始された精神療法です。神経症とくに社会恐怖傾向を示す事例に対する特殊療法であり,森田の原法は,以下の4期に分かれます。

① 第1期:絶対臥褥期。クライアントを隔離し,生理活動以外には一切の活動を制限し,ほとんど布団に寝ているように促します。

② 第2期:軽作業期。臥褥時間は7~8時間にし,外界の事物を眺めたり,軽作業をさせたりします。

③ 第3期:重作業期。睡眠時間以外は絶えず何かを行なっている生活をさせ,次第に肉体的な思い作業に移していきます。読書,趣味などの自由にさせます。

④ 第4期:退院準備期。日常生活に復帰させ,生活訓練を行ないます。

 約1ヶ月前後を1コースとして治療が完了するようにしますが,この間,日誌を書かせます。それを治療者側の経過観察にするとともに,その中で患者の自己洞察を深めさせるようなコメントを与えます。

 森田療法は,森田神経質と呼ぶ神経症の中の一群を対象としています。森田神経質は,素質に機会が与えられ,精神交互作用によって悪化していくものだとされます。ここでいう「素質」を「ヒポコンデリー気質」と呼び,自分の情緒反応を生存に否定的であると決めつける傾向のことを指します。これに,何かにつけて病覚を気にするようになった事情(機会)が与えられ,自分の情緒的反応に意識を集中させるほど,情緒的反応が強く感じられるようになる悪循環が起きていること(精神交互作用)に問題があるといわれています。  森田療法では,精神交互作用を打ち切り,その人が本来もっている健康的な力,「生への欲望」を引き出すことを中心の課題に据えます。つまり,不安に逆らわず,「あるがまま」を受け入れて,より良くなりたいという「生の欲望」にしたがって行動することを体得させていくのです。

 メディケアでは,森田療法を実施しているわけではありませんが,「生への欲望」に関連して,健康的な生きかたや食事をおすすめしています。「あるがまま」の心で,不安に打ち勝てるように心理面のケアを行なっています。

 どのようにやっているのか,興味を持たれたかたは,ぜひ初回無料カウンセリングにお越しください。

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