メディケアコラム

【薬剤師監修】ダイエットに効く「漢方薬」を解説。効果とリスク、保険適用、処方条件も。

ダイエットに効く漢方薬があることをご存知でしょうか。


体の状態を内側から整え、基礎代謝などを高めてくれる「漢方薬(ダイエット漢方)」。
 
当院では、漢方薬(ダイエット漢方)、抗肥満薬(サノレックス)を、ダイエット薬に使用し、肥満の改善をサポートしています。 
 
使い方によってはダイエットをサポートしてくれる一方で、副作用もあるため、服用には慎重を期さないといけません。
 
※ネットを見ていると「薬だけもらえないの?」という声もありますが、これは非常に危険です。

今回は、当クリニックの薬剤師監修のもと、ダイエット薬(抗肥満薬)とダイエット漢方の種類と効果、リスク、処方の条件などを丸ごと解説します。
 

ダイエットに使用する「漢方薬(ダイエット漢方)」とは?

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ダイエットの薬(抗肥満薬/サノレックス)のほかに、漢方薬もダイエットには有効です。

肥満のタイプはさまざまで、過食や運動不足による肥満のみならず、体内の抱える問題から太っているケースもあります。たとえば、炭水化物の処理能力の低下、脂肪組織の代謝異常、ホルモンバランスの乱れによる肥満など……。

この原因の一つは、生活習慣の乱れによって溜まった余分なものが、不調を引き起こしていることです。

こうした問題に対処するのが、漢方薬の役目です。
漢方薬の特徴は、体内の循環や機能の改善に強いこと。使われるべき栄養素が正しく使用され、脂肪や水分を溜め込まないように促します。

もちろん、漢方薬の効果を最大限に発揮するには、食事や運動を改善するのも不可欠です。
健康を取り戻すための総合的なアプローチと組み合わせながら、体質や体調に合わせた漢方薬を処方します。あくまでの体のバランスを整える薬なので、心身に負担もかかりません。

ここでは、ダイエット漢方として有名な「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」「大柴胡湯(だいさいことう)」「防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)」「桂枝茯苓丸(けいしぷくりょうがん)」について解説します。

 


1. 「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」とは?

非常に有名なダイエット漢方で、18種類の生薬から生成されています。その最大の特徴は、脂肪細胞を活性化すること。これによりお腹についた脂肪を分解・燃焼するため、肥満を解消する効能を明確に持った漢方薬と言えるでしょう。

また、食事によって取り込まれた脂肪の吸収を抑制したり、肥満の原因の一つとされる便秘を改善したりといった効能もあります。事実、防風通聖散を飲んだ患者の便からは、脂質やコレステロールの排出量が多いことも確認されており、保険の適用されるダイエット漢方として、医療の現場でも広く使われています。

 


2. 「大柴胡湯(だいさいことう)」とは?

こちらも有名なダイエット漢方の一つで、脂肪の代謝を助ける薬です。そもそも食事に含まれる脂質は、小腸から吸収され、肝臓で分解されてエネルギーになり、血液に乗って体内の組織へと届けられます。つまり、肝臓が上手く働かないと脂質を分解できず、より肥満は悪化するのです。

大柴胡湯は肝臓の働きをサポートします。これにより食事で摂取した脂質の吸収を抑えながら、肝臓でしっかりと分解し、大腸でしっかりと排出する。脂肪の代謝のサイクルをスムーズにしてくれるのです。その他、便秘にも有効なので、胃腸のトラブルによる肥満やお腹の張りを改善することも期待できます。

 


3. 「防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)」とは?

体内に水分がとどまると冷え性になり、基礎代謝も低下するため、太りやすくなると言われています。そんな体内の水分の循環をサポートするのが、防己黄耆湯です。

水太りの体質の人に有効で、特にむくみやすい人には相性抜群。また、水分の代謝は消化器、呼吸器、泌尿器によって調整されており、これらをスムーズにすることは体内の循環を多方面から良くするので、肥満の解消に繋がります。患者の体質によっては、劇的な改善も見込めるかもしれません。

 


4. 「桂枝茯苓丸(けいしぷくりょうがん)」とは?

桂枝茯苓丸は、体内の代謝や血行不良を改善する漢方薬です。漢方薬の考え方において「気」と「血(けつ)」は常に体を循環し、体内のさまざまなバランスを調整しています。この「血(けつ)」の流れを良くするのが、桂枝茯苓丸の役割です。

主に有効とされている症状は、肩こり、めまい、下半身の冷え性、月経不順、月経痛、更年期障害など。冷え性の改善は基礎代謝アップに繋がりますし、更年期障害は女性の肥満と密接に関わっている症状です。これらの問題を抱えている人には、ダイエットの効果も見込めるでしょう。



ダイエット漢方の保険適用について

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漢方薬の多くは保険の適用内。
とはいえ、肥満の治療に漢方薬を処方するかは病院の方針によるところもあります。

ダイエット漢方も視野に入れて治療を受けたい場合は、あらかじめ調べてから相談に訪れるのがベターです。また、その方の体質によって合う合わないがあるので、医師や薬剤師のサポートの元で選ぶ必要があります。



抗肥満薬もダイエット漢方も「魔法の薬」ではありません

肥満の治療をアシストする抗肥満薬やダイエット漢方ですが、飲むだけで肥満を綺麗さっぱり解消してしまうような「魔法の薬」ではありません。

むしろ、紙一重の差で自分の体を痛めつけるリスクもある、デリケートな薬だと理解してください。

服用には専門家の手を借りることが不可欠です。

肥満外来の医師や薬剤師は、患者の状態を見てベストな薬の種類、量、服用するタイミング、効能をさらに高めるための方法などを知り尽くしているスペシャリストです。

肥満の薬物療法を検討中の人は、
私たちのように肥満外来を専門で行うクリニックまでご相談ください。

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