メディケアコラム
【管理栄養士監修】ダイエットで気をつけたい"便秘リスク"。原因と解消法は?食物繊維に潜むワナ
ダイエットを始めてから、便秘になってしまったという声をよく聞きます。偏った食事や水分不足がたたり、便秘を引き起こしてしまう人は驚くほど多いです。
せっかくお腹周りの脂肪を落としても、便秘によるポッコリお腹では本末転倒。今回は、当院の管理栄養士監修のもと、ダイエットで気をつけたい“便秘リスク”の原因と解消法を紹介します。
まずはダイエット中に便秘を引き起こす原因から解説します。ありがちなケースは大きく分けて5つ。あなたはどれかに当てはまっていませんか?
というのも、実は食物繊維には水に溶ける「水溶性」と、水に溶けない「不溶性」の2種類があります。便秘を解消するために必要なのは、双方のバランスを適切に整えることです。
サツマイモやキノコなど、一般的にイメージされるスジっぽい食物繊維は不溶性。腸内に送り込まれた不溶性食物繊維は、水分を吸収して膨張し、腸壁を刺激することで腸の運動を促します。これにより消化物がとどまるのを防ぎ、便秘を解消してくれるのです。
一方でワカメやアボカドなど、ヌルヌルした食品に含まれる食物繊維は水溶性。腸内でゼリー状になり、他の消化物と混ざりながら便を柔らかくしてくれます。さらには腸の粘膜を保護したり、善玉菌を増やしたりする整腸作用もあります。
つまり、不溶性に偏ると便は硬くなり、水溶性に偏ると腸の動きが不足してしまうのです。
ダイエット中は生野菜中心の食事をする人も多いですが、レタスやトマトなどは食物繊維があまり含まれていません。不溶性と水溶性のバランスを考えながら、改めて食事を見直すことが必要です。
理想の便の水分率は70〜80パーセント。それより少ないと硬さが増し、なかなか出てこない厄介な便になります。
一方で人間は尿や便、呼吸などで1日2〜3リットルもの水分を排出しています。そのため、同程度の水分量を毎日補給しないといけません。そして、食事から摂取できる水分量は1日約1リットル。ダイエットのために食事制限をしていると、そのぶん水分も不足し、便秘に陥ってしまうわけです。
なぜなら、筋力の低下にともなって腸の筋肉も衰えるからです。これでは大腸のぜんどう運動も弱まり、排泄物を送り出すことが困難になってしまいます。日本人に多い「弛緩性便秘」の典型的な原因ですね。
ジョギングやウォーキングなどで、少しずつ筋力を取り戻していきましょう。
程よい油分は、便が腸管を通過する際の潤滑油になったり、腸を刺激してぜんどう運動を促したりします。逆に腸への刺激が足りないと、便は滞留し、体内の悪玉菌をどんどん増殖させてしまいます。
食事制限もバランスが大事です。体重を落としたい気持ちはわかりますが、極度の脂質制限は控えましょう。
ちなみに、話題の糖質制限ダイエットも便秘の原因になります。というのも、糖質制限に基づいた食事メニューは、食物繊維不足と水分不足のダブルパンチを引き起こしやすいのです。
糖質制限ダイエットといえば、ごはんやパン、麺類などの主食を制限するのが特徴ですよね。しかし、これら炭水化物には食物繊維と多くの水分が含まれています。そのため完全に抜いてしまうと、食物繊維・水分ともに不足状態に陥ってしまうのです。
その他の献立に目を向けても、食物繊維の多くないレタスなどの生野菜が中心です。水溶性の食物繊維が足りないことも多く、食物繊維の量やバランスを適切に調整できません。
そもそも太らない健康な人は、普段から糖質制限をしているわけではないですよね。無意識のうちに適量を食べているから、太らないのです。
だからこそ、糖質制限ダイエット中には、便秘になりやすいことや栄養バランスを崩していることを自覚し、不足しがちな食べ物をしっかりと摂取していきましょう。
原因が判明したところで、便秘を解消する方法を紹介します。すぐに実践できるものばかりなので、便秘にお悩みの人はぜひ試してみてくださいね。
不溶性食物繊維の多い食べ物は、主に穀類、豆類、キノコ類。サツマイモ、ブロッコリー、ライ麦パン、インゲン豆、エリンギ、えのき、アーモンドなどが挙げられます。
水溶性食物繊維の多い食べ物は、海藻類などの粘り気があるもの。ワカメ、アボカド、オクラ、山芋、バナナなどが挙げられます。
ちなみに納豆やゴボウなど、不溶性と水溶性どちらも多く含む“万能選手”もいます。とはいえそればかり食べるのではなく、さまざまな植物性の食品を取り入れたり、白米を玄米に変えたりと、総合的に食事をオーガナイズしていきましょう。
よくお茶やジュース、コーヒーなどで水分補給する人がいますが、ベストなのは常温のミネラルウォーター。1リットル以上飲むのは意識しないと大変なので、朝の起床時に1杯飲むなどの習慣を作るのも良いでしょう。
見た目だけでなく、健康状態を改善するために行うダイエット。せっかく頑張って取り組んでいても、便秘になっては意味がありません。お腹はポッコリと出てしまいますし、肌荒れや免疫力の低下といった“二次災害”を引き起こす可能性も。
ダイエット中は食事制限をするより、普段なら口にしない食材を摂取してください。食生活の改善に繋がり、自然と体重も減っていきます。ダイエット中でも食事を楽しみましょう。それがダイエット中のストレスを軽減し、腸内環境も整える近道です。
せっかくお腹周りの脂肪を落としても、便秘によるポッコリお腹では本末転倒。今回は、当院の管理栄養士監修のもと、ダイエットで気をつけたい“便秘リスク”の原因と解消法を紹介します。
ダイエットで便秘になる4つの原因
まずはダイエット中に便秘を引き起こす原因から解説します。ありがちなケースは大きく分けて5つ。あなたはどれかに当てはまっていませんか?
1. 食物繊維不足
快便のために有効なのが食物繊維です。しかし、野菜中心の食事によって食物繊維を摂取していても、便秘になってしまうケースがあります。というのも、実は食物繊維には水に溶ける「水溶性」と、水に溶けない「不溶性」の2種類があります。便秘を解消するために必要なのは、双方のバランスを適切に整えることです。
サツマイモやキノコなど、一般的にイメージされるスジっぽい食物繊維は不溶性。腸内に送り込まれた不溶性食物繊維は、水分を吸収して膨張し、腸壁を刺激することで腸の運動を促します。これにより消化物がとどまるのを防ぎ、便秘を解消してくれるのです。
一方でワカメやアボカドなど、ヌルヌルした食品に含まれる食物繊維は水溶性。腸内でゼリー状になり、他の消化物と混ざりながら便を柔らかくしてくれます。さらには腸の粘膜を保護したり、善玉菌を増やしたりする整腸作用もあります。
つまり、不溶性に偏ると便は硬くなり、水溶性に偏ると腸の動きが不足してしまうのです。
ダイエット中は生野菜中心の食事をする人も多いですが、レタスやトマトなどは食物繊維があまり含まれていません。不溶性と水溶性のバランスを考えながら、改めて食事を見直すことが必要です。
2. 水分不足
2つ目の原因は水分不足です。そもそも便は、腸管を通過する際にほとんどの水分を吸収され、固形物へと変わります。そのため、水分不足になると便は必要以上に硬くなり、排泄も困難になるのです。理想の便の水分率は70〜80パーセント。それより少ないと硬さが増し、なかなか出てこない厄介な便になります。
一方で人間は尿や便、呼吸などで1日2〜3リットルもの水分を排出しています。そのため、同程度の水分量を毎日補給しないといけません。そして、食事から摂取できる水分量は1日約1リットル。ダイエットのために食事制限をしていると、そのぶん水分も不足し、便秘に陥ってしまうわけです。
3. 筋力低下
食事制限によるたんぱく質の不足から、筋力を落としてしまう人もいるでしょう。しかし、筋力低下は便秘の原因のひとつです。なぜなら、筋力の低下にともなって腸の筋肉も衰えるからです。これでは大腸のぜんどう運動も弱まり、排泄物を送り出すことが困難になってしまいます。日本人に多い「弛緩性便秘」の典型的な原因ですね。
ジョギングやウォーキングなどで、少しずつ筋力を取り戻していきましょう。
4. 脂肪分不足
ダイエットの大敵といえば脂肪分……ですが、まったく摂取しないのは逆効果で、便秘の原因になります。程よい油分は、便が腸管を通過する際の潤滑油になったり、腸を刺激してぜんどう運動を促したりします。逆に腸への刺激が足りないと、便は滞留し、体内の悪玉菌をどんどん増殖させてしまいます。
食事制限もバランスが大事です。体重を落としたい気持ちはわかりますが、極度の脂質制限は控えましょう。
話題の糖質制限ダイエットも便秘の大敵に
ちなみに、話題の糖質制限ダイエットも便秘の原因になります。というのも、糖質制限に基づいた食事メニューは、食物繊維不足と水分不足のダブルパンチを引き起こしやすいのです。
糖質制限ダイエットといえば、ごはんやパン、麺類などの主食を制限するのが特徴ですよね。しかし、これら炭水化物には食物繊維と多くの水分が含まれています。そのため完全に抜いてしまうと、食物繊維・水分ともに不足状態に陥ってしまうのです。
その他の献立に目を向けても、食物繊維の多くないレタスなどの生野菜が中心です。水溶性の食物繊維が足りないことも多く、食物繊維の量やバランスを適切に調整できません。
そもそも太らない健康な人は、普段から糖質制限をしているわけではないですよね。無意識のうちに適量を食べているから、太らないのです。
だからこそ、糖質制限ダイエット中には、便秘になりやすいことや栄養バランスを崩していることを自覚し、不足しがちな食べ物をしっかりと摂取していきましょう。
便秘を解消する4つの方法
原因が判明したところで、便秘を解消する方法を紹介します。すぐに実践できるものばかりなので、便秘にお悩みの人はぜひ試してみてくださいね。
1. 不溶性と水溶性の食物繊維をバランスよく摂取する
食物繊維不足の人は、不溶性と水溶性のバランスを心がけて摂取しましょう。理想的なバランスは2:1。特に日本人の食生活には水溶性食物繊維が不足しがちで、これが便秘の一因になっていることも多いです。不溶性食物繊維の多い食べ物は、主に穀類、豆類、キノコ類。サツマイモ、ブロッコリー、ライ麦パン、インゲン豆、エリンギ、えのき、アーモンドなどが挙げられます。
水溶性食物繊維の多い食べ物は、海藻類などの粘り気があるもの。ワカメ、アボカド、オクラ、山芋、バナナなどが挙げられます。
ちなみに納豆やゴボウなど、不溶性と水溶性どちらも多く含む“万能選手”もいます。とはいえそればかり食べるのではなく、さまざまな植物性の食品を取り入れたり、白米を玄米に変えたりと、総合的に食事をオーガナイズしていきましょう。
2. 水を1日1〜2リットル摂取する
当然ながら水分補給も大切です。体外に排出される水分量が1日2〜3リットル、食事から摂取できるのが1日約1リットルなので、残りの1〜2リットルは水を飲むことで補充しましょう。よくお茶やジュース、コーヒーなどで水分補給する人がいますが、ベストなのは常温のミネラルウォーター。1リットル以上飲むのは意識しないと大変なので、朝の起床時に1杯飲むなどの習慣を作るのも良いでしょう。
3. 食事にさまざまなオイルを取り入れる
適度な油分を摂取するために、オイルを取り入れるのもおすすめ。腸を緩やかに刺激できるため、便秘の解消に繋がります。よくダイエットにはオリーブオイルが良いと言われますが、油脂はさまざまな組成でできているため、食べ物と同様にたくさんの種類を摂取するのが効果的です。4. 発酵食品を摂取する
発酵食品に含まれる酵素には、善玉菌を増やし、腸内環境を整える作用を期待できます。納豆やキムチ、ヨーグルトはもちろんのこと、みそや塩こうじを手作りして食べるのもおすすめです。便秘はダイエットを無意味にする
見た目だけでなく、健康状態を改善するために行うダイエット。せっかく頑張って取り組んでいても、便秘になっては意味がありません。お腹はポッコリと出てしまいますし、肌荒れや免疫力の低下といった“二次災害”を引き起こす可能性も。
ダイエット中は食事制限をするより、普段なら口にしない食材を摂取してください。食生活の改善に繋がり、自然と体重も減っていきます。ダイエット中でも食事を楽しみましょう。それがダイエット中のストレスを軽減し、腸内環境も整える近道です。