メディケアコラム

味覚感度アップがダイエット成功への近道

食事のときに、味のない水を飲むことによって、料理の塩分濃度を薄められるという
話をしました。これは同時に、水を飲むことで、口の中を一度、リセットできるという
メリットもあります。
味の濃い料理を食べた後に、薄味のものを食べても、おいしいとは感じられません。
むしろ、物足りなさを感じて、塩や醤油をかけてしまいます。それによって、
さらに塩分濃度が上がってしまうのです。一つの悪循環です。

本来、それぞれの食べ物には、持っている味があります。
例えば、サラダの常連、トマト。旬のものなら、十分においしく感じられるはずです。
でも、いつもマヨネーズやドレッシングをかけて食べていたら、素材そのものを
味わえなくなってしまいます。
塩味がついている焼き魚に醤油をかけずにはいられない。ソースもマヨネーズも
たっぷりかかっていないと、物足りない。こうした食べ方を続けていると、
塩分の摂り過ぎによる不調が始まっていきます。

まず、腎臓に負担がかかります。そして必ずと言っていいほど太り始めます。
太ってしまう人には、いくつか共通点がありますが、その一つがこれです。
日常的な食習慣ですから、自分ではそれが問題だと気付いていないことが多いのです。
長年、塩分の摂り過ぎを続けていると、高血圧症になります。
生命を維持し、活動するためには、血液が体の隅々まで流れていなくてはいけません。

でも、血圧の高い状態が続くと、血管はいつもパンパンに張った状態で、大きな負担にな
ります。その結果、血管がもろくなり、動脈硬化、心筋梗塞や脳卒中などの深刻な病気を
招いてしまうのです。
血圧を下げることで、病気の進行を遅らせるのが治療の第一歩です。
そのために、薄味の塩分控えめの食事にして、食事量を調整することで体重を減らす
取り組みが始まります。でも、一度、慣れてしまった舌は、なかなか、変えられないもの。
だからこそ、素材の味を生かした、薄味の料理を味わえるような「舌」になるように、
早いうちから心がけていただきたいのです。
習慣というのは、なかなかすぐには変えられないものです。けれど、ゆっくり時間をか
けて取り組めば必ず変えられます。体重を減らすためにも、健康のためにも、薄味に慣れ
る価値はあります。



※この記事は、メディケアダイエット代表岡田眞の著書「太らない体質は食事がつくる」
 (2014年)をWebにて転載したものです。

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