メディケアコラム
糖質制限の落とし穴
大ブームの糖質制限ですが、自己流で実践している方の多くは「ご飯を辞めてたんぱく質を摂る」というスタイルをなさっていることと思います。
当院に来院する患者さんにも(こちらから指示をしないのに)そのスタイルを実践する方が多いのですが、食事内容をチェックすると、大きな誤解があることがよくあります。それは食材に含まれている栄養素が単体だと思っていることです。
例えば米ですが、栄養素は炭水化物の他にたんぱく質、脂質、ビタミン類、ミネラル類も含まれています。そして、エネルギーもあります(軽く一膳で約270㎉)。
基本的に栄養素が単体で存在することはありませんし、(単体は人工的に生み出されたサプリメントの世界だけです。)すべての食物にカロリーはあります。
この2点を完全に無視して、たんぱく質なら太らないからとタンパク質を多摂り、炭水化物を排除している方が多いのです。
患者さんは、たんぱく質としてチーズを摂っている方が多いことが食事記録からわかります。そこでチーズの栄養価を下に示します。
プロセスチーズ20g(一切れ)
エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食塩相当量 |
68 kcal | 4.54g | 5.2g | 0.26g | 0.56g |
一切れ20gというと親指と人差し指で作ったオッケーサインくらいの大きさですが、それでも68㎉あります。確かに炭水化物の量は少ないですが、脂質も含まれていますし、食塩相当量も多いです。(一日の目標量は6gです)。これを無視してはいないでしょうか?
チーズだけではなく、他の食品にもカロリーその他栄養素は含まれています。1つの栄養素だけにとらわれず、全体としてバランスをとることが最も重要です。
そして、栄養価計算を厳密にせずとも、発酵食品や季節の野菜や魚をとりいれた和食中心の食生活を送ることで、自然にバランスがとれるのです。
メディケアでは、バランスのとれた食生活のアドバイスをしています。興味のある方は初回無料カウンセリングにお越しください。