一時期、流行したダイエットに「単品ダイエット」というものがありました。ゆで卵、リンゴ、パイナップルなど、１種類の食品だけを食べるという食事法でした。
３週間、ひたすら、三食すべてその単品だけを食べるという食事方法で、結果を出したという人もいたようです。しかし、これにはいくつもの問題点があります。

一つに、摂取カロリーが極端に減っていること。次に、栄養が偏っているため、栄養失調になってしまうこと。そして、その食品しか食べられないというストレスを抱えてしまうこと。

これでは、３週間が過ぎてやめた途端に、リバウンドしてしまうのは無理のないことでしょう。そして、元に戻るだけならまだしも、「かえって体重が増える」状態に陥ってしまいます。これは、短期間で結果を出そうという無理なダイエット法にすべて通じることです。
　
体内に取り込まれるカロリーが急激に減ったことで、脳は飢餓状態になってしまいます。
そして、エネルギーの消費を減らして、摂ったエネルギー源は可能な限り、ため込んで
おこうとするのです。
こうして、太りやすい体ができ上がってしまいます。
　
摂取カロリーが足りないときは、まず筋肉から落ちていきます。本当に落としたいはずの脂肪は、後回しになるのです。
筋肉が減ってしまうと、本来の基礎代謝量も落ちてしまい、ため込みやすく、太りやすい体に変わってしまいます。
短期間でダイエットをしても、減るのは表面体重だけだという話をしてきていますが、このことと共通しています。時間をかけて、無理のない食べ方をしながら、体重を減らしていく。それによって、脳がその状態を自然だと受け入れて初めて、体重を減らした状態をキープできるようになるのです。
急激な体重減少のために、エネルギーをため込むことなく、筋肉量を減らすことなく、やせるためには、時間をかける必要があります。
　
そして、体に無理を強いるようなダイエットにチャレンジするのはやめましょう。野菜や海藻をバランス良く摂りながら、総カロリーをコントロールして食べていくことが大切です。
一度、体重を減らしたはずなのに、また増やしてしまうという悲しい目にあわないためにも、時間をかけて、きちんと体と向き合ってください。


※この記事は、メディケアダイエット代表岡田眞の著書「太らない体質は食事がつくる」
 （2014年）をWebにて転載したものです。