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【薬剤師監修】ダイエットの薬「抗肥満薬/サノレックス/マジンドール」を解説。効果とリスク、保険適用、処方条件も。
肥満外来の薬物療法で処方されるダイエットの薬「抗肥満薬」。
読んで字のごとくダイエットのためのお薬で、満腹中枢に働きかけて食欲を抑制したり、脂肪の吸収を緩和したりといった効果を持っています。
また、体の状態を内側から整え、基礎代謝などを高めてくれる「漢方薬(ダイエット漢方)」の力を借りることも。
当院では、主にこの2つのタイプのダイエット薬を使用し、肥満の改善をサポートしています。
使い方によってはダイエットをサポートしてくれる一方で、副作用もあるため、服用には慎重を期さないといけません。
※ネットを見ていると「薬だけもらえないの?」という声もありますが、これは非常に危険です。今回は、当クリニックの薬剤師監修のもと、ダイエット薬(抗肥満薬)とダイエット漢方の種類と効果、リスク、処方の条件などを丸ごと解説します。
1. 薬物療法におけるダイエット薬(抗肥満薬)やダイエット漢方の役割
まずは肥満の治療における、抗肥満薬やダイエット漢方の役割から説明しましょう。
大前提として理解しておきたいのが、「飲むだけで痩せる」という夢のような薬ではないことです。
もちろん、脳や体へとダイレクトに作用するため、一定の効果は見込めますが、薬ばかりに頼っていると処方をやめた途端にリバウンドや中毒性もあるので注意が必要です。
あくまでも薬物療法は、食事療法や運動療法といったメインの治療のサポート。
ストレスを感じることなく痩せられるので、モチベーションアップのために治療をスタートした当初に処方するのも有効です。ここである程度の結果を担保できれば、その後の食事療法に対する姿勢もより自主的になっていきます。
2. ダイエット薬(抗肥満薬/サノレックス)とは?
改めて、抗肥満薬とは肥満の治療に使用されている薬剤です。満腹中枢に作用して食欲を抑制したり、脂肪の吸収を抑えたりすることで、肥満の解消をサポートします。
主に国内で流通している薬は2種類で、食欲抑制剤である「サノレックス(マジンドール)」と脂肪吸収抑制剤の「ゼニカル」。
サノレックスは、厚生労働省で認可された抗肥満薬として、日本の医療の現場で使用されています。
一方のゼニカルは、FDA(米国食品医薬品局)に認可された薬で、欧米で医療行為として処方され、肥満の治療に活用されています。
2-1. 食欲抑制剤「サノレックス(マジンドール)」とは?
・サノレックスの作用
サノレックスとは、脳内にある満腹中枢へとダイレクトに働きかけ、食欲を抑制する薬です。
また、体内のエネルギー消費を促したり、基礎代謝を改善したりする効果も持っています。商品名であるマジンドールと呼ばれることもあり、一般的に体重の5%〜8%の減量に繋がると言われています。
そもそも人の食欲は、脳内にある満腹中枢と摂食中枢で発生します。
これを神経伝達物質であるドーパミンが刺激し、空腹や飢餓感といった感覚を作り出しているのです。
サノレックスはそのドーパミンをコントロールすることで、満腹感を生み出します。
これにより、「何かを食べたい」という欲求をダイレクトに減らし、食べてから満腹になるまでを短縮させるのが目的です。
・サノレックスの用法
サノレックスを処方する対象になるのは、主にBMI35以上、メタボリックシンドロームに認定される高度肥満症の患者です。1日の最高投与量は1.5mgで、可能な限り最小の量にとどめることを推奨されています。
「危険な薬なのかな?」と思われるかもしれませんが、サノレックスは薬事法で認められている薬で、安全性は担保されています。
とはいえ、見逃せない副作用も存在するのも確かです。
そのため、投与の期間は3ヶ月を限度とし、1ヶ月以内に効果を見られない場合は投与を中止するように定められています。
医師や薬剤師の指導に従って服用しないといけません。
・サノレックスの主な副作用
口渇感、便秘、悪心、嘔吐、睡眠障害、胃部不快感、頭痛、脱力感、眩暈、倦怠感など。重大な場合、精神依存、幻覚様異常行動、肺高血圧症、労作性呼吸困難、胸痛、失神など
2-2. 脂肪吸収抑制剤「ゼニカル」とは?
・ゼニカルの作用
主に欧米で処方されているゼニカルは、脂肪の吸収を抑制する薬剤です。全世界の愛用者は4000万人にも上ると言われています。脂肪の吸収を最大30%カットする作用を持っています。
その作用をもたらすのが、ゼニカルに含まれるオルリスタットという成分。
そもそも脂肪が体内に吸収されるには、腸内で分解されて脂肪酸になることが必要です。
オルリスタットはこの脂肪分解を担う酵素「リパーゼ」の働きを阻害します。これにより油や脂肪は、脂肪酸として体内に吸収できなくなるのです。
取り込まれなかった油は、24時間から48時間以内に排泄されます。油そのものを含んだ排泄物を見て、ゾッとする人も多いですね。当然ながら、脂肪の少ない食事に対してはあまり効果を発揮しません。
・ゼニカルの用法
食後1時間以内に服用します。ゼニカルは服用してから30分ほどで血中濃度がピークに達し、1時間ほどで半減期(効果の衰え始める時間)に差し掛かります。
服用から2時間ほど経過した頃には、効果はほとんど見られません。服用を取りやめれば、48〜72時間以内に油の排泄は行われなくなります。
よくある副作用として、下痢や軟便のほかに「おならの回数が増える」「おならと一緒に便が出てしまう」といった声も多いです。
こうした胃腸にまつわるトラブルはつきもので、ほとんどは服用から1週間以内に自然と改善されますが、少数ながら長期化するケースもあります。しっかりと医師や薬剤師の指導のもと、体と相談しながら服用しないといけません。
・ゼニカルの主な副作用
油班、排泄時のガス、急な便意・下痢、便失禁、脂肪便、鼓腸、腹部のハリ、吐き気、歯肉障害、上部呼吸器感染など
3. 抗肥満薬とダイエット漢方の保険適用について
薬を処方されるにあたって、保険の適用について気になる人も多いかもしれません。まずは抗肥満薬ですが、病院ではサノレックスのみ、以下の条件において保険の適用を認められています。
・生活習慣病が2つ以上で、BMIが35以上(メタボリックシンドロームの認定基準)
それ以外は自由診療として扱われます。ただし、サノレックスを扱っている病院の母数は限られており、肥満外来または糖尿病内科などで処方されるのが一般的でしょう。
ゼニカルについては、あくまでも欧米で認可されている薬なので、日本の病院では扱われていません。私たちのように、病院とは異なる一部のクリニックで処方されています。
また、漢方薬の多くは保険の適用内。とはいえ、肥満の治療に漢方薬を処方するかは病院の方針によるところもあります。ダイエット漢方も視野に入れて治療を受けたい場合は、あらかじめ調べてから相談に訪れるのがベターです。
4. ネットでよく見る「薬だけもらえないの?」
ネットを見ていると、よく「薬だけもらえないの?」という声も上がっています。確かに、患者からしてみれば、“病気は薬で治すもの”といった印象も強いのかもしれません。ですが、残念ながら答えはノーです。
前述の通り、あくまでも抗肥満薬やダイエット漢方の役割は、治療のサポートに過ぎません。
肥満の原因は日々の食事、生活習慣、運動不足、体質や遺伝的な要素、年齢による体調の変化など、多岐にわたります。薬で減量してもこれらの原因を取り除かなければ、肥満はまたぶり返すだけです。
日本の医療の中心は対症療法で、薬で症状を押さえつけることを治療と呼んでいる節もあります。しかし、再発したらそれは「治療失敗」。本当の意味での治療とは、再発しない状態を作ることです。薬に依存するのではなく、肥満にならないような習慣を身につけないといけません。
また、そもそもサノレックスは、最大3ヶ月しか服用できない薬。
この決まった期間だけ受けられる恩恵を、生かすも殺すも自分次第です。薬をやめた途端にリバウンドするのではなく、メインの治療に活かしたりダイエットのモチベーションアップに繋げたりするのが、薬との上手な付き合い方だと思います。
5. 市販品・海外品の入手に注意。ダイエットの薬(抗肥満薬/サノレックス)の恐ろしい話
それ以外にも、肥満外来に通院するハードルの高さからか、市販品を買い求めたり、ネットで海外輸入品を入手したりしている人もいるようです。
市販品を購入するのは一つの選択肢ですが、海外輸入品の購入はあまりおすすめできません。
なぜなら、輸入した抗肥満薬は欧米人の体格や体質に合わせて作られ、それぞれの国で認可されたものだからです。諸外国における「良い薬」が、あなたにとって「悪い薬」になる可能性は往々にして存在します。
そして、それが悪い薬になったとき、その副作用に体は苦しめられることになります。
あまり知られていませんが、抗肥満薬はこれまで、暗い副作用の歴史を辿ってきました。
サノレックスのような食欲抑制剤は、過去に何度も開発・販売を中止されているのです。その理由は、ひとえに激しい副作用です。
脳内の満腹中枢へと働きかける抗肥満薬は、脳の指令を狂わせたり、精神に大きな異常をきたしたりする恐れを持っています。
たとえば、1997年に欧米で承認されたシブトラミンは、高血圧による心筋梗塞や脳卒中のリスクが上がるとされ、2010年に市場から姿を消しています。その他、ある薬は自殺企画などの重い精神疾患を引き起こしたり、またある薬は癌の発症率を高めたりと、次々と撤退を余儀なくされてきました。
こうして残ったわずかな薬が、サノレックスやゼニカルなのです。
それでさえ無視できない副作用があり、サノレックスに至っては3ヶ月しか服用できません。医師や薬剤師であっても取り扱いが難しいのが、抗肥満薬の現状です。
そして、漢方薬も抗肥満薬ほどの危険性はありませんが、副作用は確かに存在します。いずれにせよしっかりと医療機関に相談し、体の状態を判断してもらった上で、正しい薬を用法や用量に従って服用することが大切です。
6.抗肥満薬もダイエット漢方も「魔法の薬」ではありません
肥満の治療をアシストする抗肥満薬やダイエット漢方ですが、飲むだけで肥満を綺麗さっぱり解消してしまうような「魔法の薬」ではありません。むしろ、紙一重の差で自分の体を痛めつけるリスクもある、デリケートな薬だと理解してください。服用には専門家の手を借りることが不可欠です。
肥満外来の医師や薬剤師は、患者の状態を見てベストな薬の種類、量、服用するタイミング、効能をさらに高めるための方法などを知り尽くしているスペシャリストです。
肥満の薬物療法を検討中の人は、
私たちのように肥満外来を専門で行うクリニックまでご相談ください。
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カテゴリ:
(メディケアダイエット東京)
2020年11月19日 21:00
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