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栄養素のことを考えながら、買い物をして、自分で料理をすることができればよいのですが、そうはいかない人が多いでしょう。
仕事をしていれば、ランチは外食だったり、コンビニで買ったものをオフィスで食べる人も少なくないでしょう。
はたまた、夜は残業で遅くなってコンビニ頼みになったり、飲み会だったり思うような食生活を送れていない、と感じているのではないでしょうか。
「4群食事法や各種の栄養素の次のステップが分からない」
「何を食べればよいかは分かったけれど、料理する時間がない」
「外食のほうが多いけれど、どうすればいいの?」
4群食事法についてはこちら
そんな悩みをお持ちの方のために、毎日の食事について気を付けるべきポインドやアドバイスをまとめました。美しく健康にやせるために、参考にしてください。
食事を食べ始めるとき、「まず、生野菜から先に食べるクセをつけましょう」とよくいわれます。これは、ダイエットの基本ルールともいわれます。
ただし、季節や人によっては、生野菜を先に食べないほうがいい場合もあります。
まず、なぜ、生野菜を先に食べたほうがいい、といわれているのかを説明します。
①満腹中枢を満たす
空腹を感じて、食欲を促すのは、脳の視床下部にある摂食中枢です。一方、満腹感を感じて、食べることをストップさせるのは、同じ視床下部にある満腹中枢。
ただ、満腹中枢に「お腹がいっぱい!」と伝わるのは、食べ始めてから約10 ~15分後とされています。
そのため、空腹感にまかせて、最初から高カロリーなものをどんどん食べてしまっても、なかなか満腹感を感じなくて、食べ続けてしまうというわけです。
これは、食べやすいもの、あまり嚙まなくてもよいものを食べても、同じ状態になってしまいます。
一方、生野菜はある程度、嚙むことが求められる硬さがあります。また、生野菜は胃で消化されるのに時間もかかります。そのため、生野菜を先に食べると、メインのおかずやご飯を食べる量を減らしやすくなります。カロリーの高いものをたくさん食べなくても満腹感が得られるので、ダイエットには効果的、というわけです。
②便秘解消の強い味方
食物繊維は水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維の2種類があります。野菜に含まれる食物繊維は、人間の消化酵素では消化吸収ができません。そのため、食べ物を胃に長くとどまらせることによって、腸での糖質の吸収を遅くしてくれます。
この働きによって、血糖値が急上昇することを防げます。血糖値の急激な上昇は、糖尿病の予防にとても効果的です。
また、腸内での有害な物質を排泄して、腸内環境をよくする働きもありますので、便秘解消にも役立ちます。
その他、健康面においても、生野菜が血液をアルカリ性にする、というメリットがあります。
肉や糖分の多い料理は、血液を酸性にする働きがあります。体が酸性に傾くと、免疫力が落ちて感染症にかかりやすくなります。このバランスをとるのが、生野菜です。
この働きで、血液がアルカリ性になります。
ただし、「生野菜は体を冷やす」ともいわれます。
特に秋から冬にかけてはもともと体が冷えやすい季節です。そういう時期に、冷たいものを食べると、体を中から冷やしてしまうことにつながります。すると、代謝力が落ちてしまう場合があります。ですから、冬は生野菜よりもスープに入れて温かくなった野菜を食べたほうがいいのです。
また、冷え性の人は、夏であっても、あまり生野菜を多く取らないほうが無難です。体質は一人一人違いますので、自分に合った食事法を見つけていくようにしましょう。
先ほどは、外食時のメニューの選び方についてお話ししましたが、ポイントは分かっていただけたでしょうか?
・たんぱく質と炭水化物に偏らないようにする
・できるだけ、野菜メニューをプラスする
・同じものを繰り返し、食べないようにする
これは、お弁当やおにぎり、パンなどを買うときにも通じるポイントです。
最近は、いろいろなお弁当屋さんがありますね。いわゆるオーソドックスなものに限らず、麺類、中華、エスニック、カレーや丼物まで、選択肢は数多くあります。
ですから、お弁当の選び方次第で、栄養の偏りやダイエットを意識した食事を続けることはできます。
まず、彩りはどうでしょうか?
揚げ物や炒め物などは茶色が多いですね。これに、ニンジンやキャベツ、ピーマンなどの野菜が交ざると、カラフルになってきます。
お弁当では、生野菜が入っていたとしても、プチトマトや下に敷かれたレタス程度の場合がほとんど。ですから、不足しがちな第3群(野菜や海藻、キノコ類)を補うために、彩りをチェックする習慣をつけてください。
中に詰めるお惣菜を選べるなら、たんぱく質のおかずを1種、野菜のおかずを1種、というように組み合わせましょう。
また、酢の物を先に食べると、脂肪の吸収を抑えてくれます。ダイエットをサポートしてくれる酢の物を摂るようにするといいですね。
おにぎりやお惣菜、パンなどをオフィスで食べる人も多いと思います。こういう場合も、おにぎり2個+お茶、というのは避けたいものです。
確かに、カロリー表示を見比べていくと、いずれも300キロカロリーを超えています。一日の摂取カロリーから考えると、どれを組み合わせてよいか、困ってしまうかもしれません。そして、とりあえず、空腹を満たすためのおにぎり、となってしまう人が多いようです。
こういう場合は、おにぎりを1個にして、もう一つは野菜の入っているお惣菜を選ぶようにしてみましょう。または、お湯を注ぐタイプのカップスープでもいいと思います。
とにかく、炭水化物だけでお腹を満たす習慣を変えていただきたいのです。
近頃はどのコンビニにも、ミニサイズで多種多様なお惣菜やおつまみが並んでいます。
キムチや漬物などの発酵食品、めかぶ、海藻サラダのような第3群を摂れるお惣菜を探してみてください。
仕事の合間の気分転換の時間でもあるし、何をどう組み合わせて食べるかを考えるのは、脳にも刺激になります。
カロリーを気にしていると、組み合わせを変えることによって、体重が戻ってしまうのではないかと気にする人もいます。しかし体調や季節によって、体重にも変動があるのは当たり前のこと。
いろいろな食事を試しながら、自分の嗜好や体調によって選べるようになりましょう。
揚げ物というと、体重が増えるイメージがまとわりつき、ダイエット中は、敬遠しがちです。
でも、どうしても食べたくなったら、から揚げを食べてください。どちらかといえば、天ぷらのほうが高カロリーなのです。
から揚げは、下味をつけた肉に片栗粉をはたいただけですので、基本的に衣は薄付きです。ですから、意外にカロリーは上がっていません。
一方、小麦粉と卵を溶いたものをくぐらせる天ぷらは、油をたっぷり吸収してしまいます。
その上にさらにパン粉を付けるフライやコロッケも、カロリーとしては相当なものになります。気を付けましょう。
もっとも、専門店の天ぷらは、さらりとした薄い衣ですから、すべての天ぷらが悪いわけではありません。
要注意なのは、「どっしりとした衣の付いている揚げ物」と覚えておいてください。
家で揚げ物をつくるなら、まだ、衣の量もコントロールできますが、お店だとそうはいきません。
例えば、フライドチキンはどうでしょうか。大きく見えますが、衣がお肉からポロリとはがれると、中の肉はたいした量はありません。これは、ボリュームを出すために、たっぷりと衣を二度づけしているから。
お店によっては、一度揚げてから、もう一度衣をからめて、二度揚げしているところもあります。ボリュームやサクサク感を出すためのことですが、そういうことも知ったうえでメニューを選べるようになれるといいと思います。
いつもダメとなると、ストレスがたまりますから、たまに食べたいときには、衣を付けずに、素揚げにするのもおすすめです。粉がない分、カロリーは低く抑えられます。
店頭に並んでいる加工食品には、多種多様な食品添加物が使われています。保存のため、おいしくするため、見た目を良くするためなど、理由はさまざまですが、食品添加物が
入っていない食品のほうが少ないくらいです。
ここで考えていただきたいのは、添加物が本当に必要なのかどうか、ということです。
古くから、食品の保存のためには、塩漬け、みそ漬け、砂糖漬け、天日干しといった保存方法が用いられてきました。また、調味料としても、みそや醤油といった発酵させることによって長持ちさせる方法が編み出されてきました。
現在の食品添加物はどうでしょうか?
本来なら、2~3日が限度なはずのパンが、さまざまな食品添加物と真空パックによって、3カ月もの消費期限となっているものもあります。それは、果たして安全といえるのでしょうか?
原材料名の欄に、あまりにも多くの食品添加物の名前が並んでいると、自分は何を食べているのだろうか、と疑問に思ってしまいます。
私たちの体の中では、不要なものが入ると、肝臓が引き受けて解毒をします。食品添加物だらけの食品を食べる毎日だと、肝臓は休みなく、働いている状態になってしまいます。
肝臓には、栄養素をエネルギーに換える代謝機能という大切な役割も果たしていますから、肝臓の不調は健康に大きなダメージになっていくのです。また、「沈黙の臓器」といわれる肝臓は、気付かないうちに病状が進行していることも少なくありません。
見た目の美しさや口当たりの良さではなく、健康のことを考えて、食品を選ぶように気を付けてみてはどうでしょうか? すべてをゼロにするのは、なかなか難しいこと。でも、意識して選ぶことで、減らすことはできるはずです。
誰にとっても、「これは大好き!」という食べ物があると思います。何を食べても同じ、ということはないはずです。
ダイエットに取り組むときには、この「好き!」な気持ちを上手に生かしてあげましょう。
例えば、シュークリームやチョコレート、チーズたっぷりのピザ……。ダイエットの強敵ともいえそうですが、こうした好きなものがあるなら、いつ、どのタイミングで食べるかを、決めてしまえばいいのです。
ここまで頑張ったからと、自分へのご褒美という感じにしてもいいでしょう。そして、ご褒美にするからには、どこのものでもいい、ということにはしないようにしましょう。
おすすめしたいのは、好きなお店のものを買いに行くこと。必要に応じて、予約してもいいですね。せっかく食べるなら、あそこの生チョコと決めておけば、食事の合間にコンビニに立ち寄ってしまうこともなくなるはずです。
季節限定のケーキが食べたいと思うなら、その前後に食べるものを調整しておけば、いいのです。何もかも我慢することになってしまうと、ストレスがたまって、長続きしなくなります。
20代には20代の、30代には30代の食べ方があります。年齢が上がるにつれて代謝は落ちていきますから、若いときと同じ感覚で食べていたら体重が増えてしまいます。気付くと、部屋の中にモノが増えてしまうように、あれもこれもと食べていると、余計な脂肪となって身に付いてきます。
だからこそ、自分にとって必要なものは何なのかを考えていただきたいのです。
一度、立ち止まって自分の好きな食べ物を考えるということは、自分自身を見つめ直すことにもつながるのではないでしょうか。
あなたにとって、これだけは譲れない食べ物は何でしょう。
最初は思いつかなくても、探しているうちに見つかるかもしれません。自分が大切にしていることや習慣を意識することで、何気なく食べていたことをやめることもできるようになります。「あれを食べるんだから、ムダに食べている場合じゃない!」と。
好きなものを探しに行くという楽しみも出てきます。
おいしいものを食べに行くことが好きなら、それをあきらめる必要はありません。むしろ、その時間を存分に楽しむために、それ以外のときにコントロールすればいいのです。
好きなものへのこだわりを持つことは、すべての面で目指したいところです。
※この記事は、メディケアダイエット代表岡田眞の著書「太らない体質は食事がつくる」 (2014年)をWebにて転載したものです。
(メディケアダイエット東京) 2018年1月30日 10:35
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