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腸内環境を整えてダイエットする方法

胃で消化された食べ物が次に行く場所は腸です。

小腸では、胃や十二指腸で消化された食べ物をさらに分解し、栄養素を吸収する働きを

しています。大腸では、水分やミネラルを吸収し、便をつくります。

先ほど、胃にはできるだけたくさん働いてもらいたいという話をしました。

しかし、実は腸はその正反対です。

腸の中はできるだけ早く通過してもらう。これは、ダイエットはもちろん、

美肌のためにも、健康のためにも、とても大事です。

腸内が健康な良い環境だったら、必要な栄養だけ吸収して、あとは老廃物として、早く

排泄することができます。しかし、食べた物がいつまでも腸内に滞留してしまうと、

いくつも問題が起こってしまいます。



【腸に食べ物が長く滞留することによる弊害】

①お腹の張りや痛み

②便秘による吹き出物や肌荒れ、口臭など

③腸内にガスがたまり、便やおならが臭くなる

④便が固くなって、排泄時に肛門を傷つける

⑤腸に長くとどまることで、不要なものまで吸収させてしまう

なぜ、こうした問題が起こるのでしょうか。その理由を理解するために、まず、腸内に

いる菌について見ていきたいと思います。



腸内環境を整えて便秘と決別する




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腸内に住んでいる細菌は、100種類以上ですが、大きく3種類に分けられます。



【腸内に住んでいる細菌】

〈善玉菌〉

腸内を酸性に保ち、腸内環境を良くしようと働きます。食物繊維を分解して、

さらに増殖します。善玉菌が多いと、体の免疫力が高まります。

〈悪玉菌〉

大腸内に送られた食べかすに含まれるアミノ酸やたんぱく質を分解して有毒物質を生み

出してしまいます。悪玉菌が多いと、腸の動きが鈍くなり便秘や下痢の原因に。

〈日和見菌〉

善玉菌と悪玉菌のどちらか優勢なほうにつきます。悪玉菌が多くなると、それまで善玉

菌だったものが悪玉菌に変わってしまいます。

悪玉菌が増える原因は、主として「生活習慣の乱れ」です。寝不足や不規則な生活、

ストレスや運動不足、肉や甘いものの食べ過ぎによって、悪玉菌が腸内環境を悪化させて

しまうのです。

さらに問題なのは、自分にとっては日常生活ですから、生活習慣が乱れていることに

気付きにくいということ。「いつも何かを食べて口を動かしている」「土日は家の中に

こもりきりで外に出ない」など、第三者から見れば、ちょっとおかしいと思われることでも、

本人は何も感じていないというケースが多いようです。知らず知らずのうちに、腸内の環境

を悪化させてしまうのです。腸内環境が悪化すると、便秘になり、肥満のもとになって

しまいます。

そうならないために、普段から腸内環境を整える食生活を意識しましょう。


腸内環境改善のための優等生、発酵食品

20171115171345-8a3ea42564c5adde5a84cdeb227ce9f1353994d5.jpg 腸内環境改善のためにおすすめしたいのは発酵食品です。
ヨーグルト、キムチ、納豆といった発酵食品には、腸内の善玉菌を増やす働きが
あります。その働きで、腸内を美人にしてあげるよう、心がけてみてはいかがでしょうか。
ただし、ここで「おすすめの食品」とお話ししたからといって、「これさえ食べていれ
ば、大丈夫」というふうに考えないでください。たとえ、体に良いものであっても、
苦手なものを食べることはストレスになりますから、決して良いことではありません。
もう一つ、食物繊維のある食品を食べることも心がけていただきたい点です。

腸は、第二の脳ともいわれるほど、ストレスを感じやすい器官です。旅行などで、

「枕が変わると眠れない」といわれますが、「トイレが変わると体調を崩す」という人も多い

のではないでしょうか。旅行先で便秘になる人が多いのは、環境変化によるストレスで

デリケートな腸の働きが鈍くなるからです。

それほど、私たちにとって、腸は大切にケアしてあげないといけない器官だということ。

逆にいえば、腸内環境が変わることで、くすみや肌荒れの悩みともサヨナラできるうえに、

病気予防にもつながります。まさにいいことだらけです。

腸美人を目指して、自分の生活を見つめ直してみましょう。


腸に働く食物繊維のパワー

20171115171755-92d8b243b648d9ba500686f28efb5b3148828c0f.jpg 野菜や果物などに含まれている食物繊維には、大きなパワーが秘められています。
ダイエットはもちろんのこと、生活習慣病の予防にも大きく働きます。どんなパワーを
持っているのか、詳しく説明していきましょう。
食物繊維には、水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維が
あります。

【2つの食物繊維の特徴】
〈水溶性食物繊維〉
・水に溶けやすく、水分を吸収してゲル状になります。このため、食べたものがゆっくり
と腸内を移動していくことになり、ブドウ糖の吸収を緩やかにしてくれます。これに
よって、糖尿病の予防になります。
・腸内の余分な栄養素や有害物質、余分なコレステロール、コレステロールの原料となる
胆汁酸を吸着して排出する作用があります。このため、動脈硬化、脂質異常症などを
予防します。
・食塩のナトリウム成分と結びついて排泄します。この作用で、血圧を下げる働きも
あります。
・水分と結びついているので、便の水分量を増やしてやわらかくする働きがあります。
これによって、便秘解消に役立ちます。

〈不溶性食物繊維〉
・大腸で水分を吸収して、便のかさを増やす働きがあります。かさは、数倍から数十倍に
膨れ上がります。これによって、腸壁が刺激され、腸の動き(蠕動運動)が活発化し、
排便を促します。
・便通が良くなると、さまざまな有害物質が腸内に長く滞留しなくなります。有害物質に
さらされる時間が短くなることによって、腸内環境が整い、発病のリスクが減ります。
水溶性食物繊維、不溶性食物繊維ともに、それぞれ働きが違います。ですから、両方を
さまざまな食品から摂るように心がけてください。
また、注意していただきたいのが、摂りすぎです。食物繊維はミネラルを吸着する性質
があるため、大量に摂ってしまうと必要なミネラルまで排出してしまいます。食べ物から
摂取する程度ならそれほど大量になることはないでしょうが、サプリメントを摂る場合は
気を付けましょう。


※この記事は、メディケアダイエット代表岡田眞の著書「太らない体質は食事がつくる」
 (2014年)をWebにて転載したものです。

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