ここまでお話ししてきた三大栄養素に加えて、ビタミンとミネラルを加えたものが、五大栄養素。
さらに、食物繊維を加えると、六大栄養素です。
炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素は私たちの体をつくったり、エネルギー源となったりしています。でも、その働きに欠かせないのがビタミンとミネラルなのです。
ビタミンは、代謝に必要な酵素の働きを助けています。
三大栄養素に比べると、必要な量は多くないので、微量栄養素とも呼ばれます。
【ビタミンとミネラルの特徴】
〈ビタミン〉
ビタミンといっても、種類はさまざま。13種類もあります。このうちのほとんどが体内でつくり出すことができないものですから、食べ物から得るしかありません。
またビタミンは、水に溶けやすいか、水に溶けにくいかで、2つに分けられます。水に溶けやすければ、たとえ多く摂り過ぎたとしても、尿として排出されてしまうため、あまり心配はいりません。
むしろ、たくさん食べたつもりでいても、流れてしまうために不足しがちです。
「昨日、たくさん食べたから」とは考えずに、毎日、コンスタントに摂るようにしましょう。
注意してほしいのは、水に溶けにくく、脂に溶ける性質のビタミンA、D、E、Kです。
これらは、肝臓に蓄積されていきますので、過剰に摂取すると、頭痛や吐き気、脱毛につながります。
繰り返しになりますが、ダイエットのための食事を考えるときに、ないがしろにされがちなのが第3群の野菜です。そして、野菜を摂らないと、ビタミンが不足しますから、代謝が悪くなります。
カロリーを気にしているのに、代謝を悪くしてしまっては、元も子もありません。
バランスよく食べながら、代謝を上げて、体を良い状態にしてあげましょう。
食べ方としては、小さくしてしまうと、胃腸が働きません。ジュースよりも形のあるもの。形のあるものでも、キャベツの千切りよりはザク切りといったように、形のある状態のものを、きちんと嚙み、胃にも消化のために働いてもらいましょう。
ニンジンやカボチャなどの緑黄色野菜に含まれるβカロチンは、生のままでは吸収されません。
腸内環境が良いと、生のニンジンを食べた後に出る便はオレンジ色をしているはず。
これは吸収されずに、すべて出てしまっているということです。
吸収されやすくするには、油と一緒に摂ることです。炒め煮やドレッシングなど、油を取り入れた料理が栄養の吸収には良いのです。
ただ、使う油の量はきちんと考えましょう。多く使ってしまうと、βカロチンを摂るために食べたはずなのに、カロリーが大幅にアップしてしまうことになりかねません。
〈ミネラル〉
こちらも、ビタミン同様に、体内で合成することはできないので、食べて摂取しなくてはいけません。生きていくために絶対に必要なミネラル16種は、「必須ミネラル」と呼ばれています。
中でも、骨や歯の主成分となるカルシウムとリン、血液の中で酸素の運搬を担う鉄などは、不足すると途端に、不調をきたしてしまう重要なミネラルです。このため、一日に摂るべき量も多いのですが、摂り過ぎると、高カルシウム血症、高血圧につながります。
また、微量ミネラルも摂取量に注意が必要です。鉄、亜鉛、銅、マンガンは、摂り過ぎることによって、中毒症状になることもあります。
※この記事は、メディケアダイエット代表岡田眞の著書「太らない体質は食事がつくる」
(2014年)をWebにて転載したものです。