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1994年にロックフェラー大学のジェフリー・フリードマン博士らが、肥満遺伝子の
存在を明らかにしました。肥満遺伝子とは、エネルギーの代謝に関係のある遺伝子群のこ
とです。遺伝子群というように、一つではなく、50以上の関連遺伝子が発見されています。
少し難しい名前も出てきますが、体質に関連することですので、肥満と関連が強い遺伝
子については、その名前や役割について簡単に説明しておきます。
遺伝子の変異と肥満の関係で科学的にも実証されているのは、「β3アドレナリン受容
体」「脱共役たんぱく質1」などの遺伝子です。
β3アドレナリン受容体は、アドレナリンやノルアドレナリンといったホルモンと結合
すると、脂肪細胞の中の中性脂肪を燃やす働きをします。脂肪を燃やしてくれるというこ
とは、つまり、肥満を防ぐのに役立つ遺伝子なのです。
ところが、この遺伝子に変異のある場合があります。すると、中性脂肪の分解が抑制さ
れ、基礎代謝量が約200キロカロリー低下するといわれます。
基礎代謝量が低下するということは、体を動かしても、少ししかエネルギーを消費しな
いということ。つまり、燃費がいいのです。そのため、「倹約遺伝子」とも呼ばれます。
食べ物がなく、エネルギーを節約できる体質を持つ人だけが生存できた時代を経て変異し
たものと考えられています。
脱共役たんぱく質1は、糖や脂質を直接熱に換える熱合成たんぱくです。この遺伝子に
変異を持つ人は、エネルギーを燃焼させる多胞性脂肪細胞の働きが低下し、一日の基礎代
謝量を100キロカロリー程度低くすると考えられています。
こうした遺伝子は飢餓の時代にはとても重宝しましたが、現代のような飽食の時代では、
それがあだとなり、肥満を引き起こし、生活習慣病の原因にもなっているのです。
日本人のおよそ3人に1人がβ3アドレナリン受容体の遺伝子変異を、4人に1人が脱
共役たんぱく質1の遺伝子変異を持っているといわれます。これは、欧米人に比べて2~
3倍も高い割合です。
※この記事は、メディケアダイエット代表岡田眞の著書「太らない体質は食事がつくる」
(2014年)をWebにて転載したものです。
(メディケアダイエット東京) 2017年11月10日 16:51
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